序章

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序章

夜に輝く銀色の雪原。普段は気にもしないが、あらためて目をやると美しく思える。 また空には妖しき光を放つ月が浮かぶ……。 満月を見ると不吉と感じるのは、私だけだろうか? 心の奥で胸騒ぎを覚えて仕方ない。 それでも、こんな美しい銀世界に連れ出してくれた、この人に感謝の意を込めている。 例え倒れたとしても……。 私は朝から熱っぽかった。 部屋のベッドまで運んでくれたこの人は、ただただ謝っている。 何故彼は、私にこんな優しくしてくれるのだろうか? 今は夜……それはそれは静かな時間が流れる。 だが突如騒がしくなるのを感じた。 目の前にいた彼は「外の様子を見てくる」と言って出て言ってしまう。 彼が出て行ってからどのくらいたっただろうか……外はますます騒がしくなる一方。 それだけではない、窓から赤くチカチカと不気味な光が差し込む。 私は彼が心配になり外に出た。 外は銀色の雪原の筈なのだが、今は違う……一面ドス黒い赤で覆われている。 また彼はそのドス黒い赤の雪原に横たわっていた。 「へっへっへ!まだ生き残りがいたか」 と不気味な笑みを浮かべた男が数人、目の前いる。 彼を殺したのこの人達なの? 何故彼を殺したの? いや何故この村の人達を殺したの? わからない わからない わからない わからない わからない 頭が混乱する。 でも、この光景を前にも見た気がする。 あれはいつだっただろうか……私がこの村に来る前に。 そう私は……
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