第一章 戦士の休息

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ライアーラ王国城下町では、賑わう町民達の姿があった……。 皆の顔は生き生きとしている……アイルがライアーラ城を奪還した事により、人々に希望の光が差し込んできたと言えよう。 そんな城下町の中、お店で買物をするアイルの姿があった。 だが、彼はミズボらしい町民の服装をしている。 「3000Gだよ!お前さんお目が高いね」 と店主。 「ありがとう」 アイルはお金を払い品物を貰らい店を後にしようとした。 「アイル様ー!!」 と突然声をかけられ彼はビクッとする。 「あ!ごめんなさい……」 今度は小声で……話し掛けてきたロッカだ。 アイルは彼女に歩み寄り小声で…… 「何か用かい?」と聞いた。 「別にー!買物をアイル様に付き合わせようとしただけー!!」 いつもの目尻吊り上げたツンツンが始まる。 「買物?」 「そうよ!文句ある?」 それが付き合わせる態度かよって話だ。 「いや……良いよ」 アイルは苦笑いを浮かべた。 …………… 「それにしても人々の表情が明るいな」 とアイルがポツリ呟く。 「当たり前です!アイル様が……」 とロッカが目尻を吊り上げながら言いかけると突然彼女は顔を真っ赤にして…… 「……いやその、イクタベーレの王子がこの国からバルマーラを叩き出したから」 と訂正した……先程の態度といい、どうやらアイルはお忍びで町に来ているようだ。 「だけど私は何もしてないよ。実際にこの国を取り戻したのはイクタベーレ騎士団の皆やシオンやゼフィロス、ラクームにサラ……それとライアーラ騎士団!そして何よりこの国の人達の強い意志なのだからね」 「そんな事ないっ!!アイル様が……!!」 アイルの間近に迫り叫ぶロッカ。彼はとっさに彼女の口を塞ぎ、周り見て人差し指を自分の口にあてた。 「クスクス……」 とアイルは笑い、彼女は下にうつ向き顔を真っ赤にする。 「ありがとうロッカ!でも本当のところ誰のお陰であろうと構わない……この大陸にいる一人の多くの人達が幸せになってくれれば良い。今のこの人達のように明るく生きていけるようになってくれればそれで良いんだ」 アイルは眼差しはどこか遠く見ていた……。 (アイル様……)とそんな彼の顔を見たロッカは大笑いし出した。 「えっ?」 笑いなが一人先に歩き出すロッカ。後をおいながらアイルは疑問視していた。 (ふふふ……ほんとアイル様は相変わらずなんだから……いつになってもお人好し過ぎるよ……)
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