序章  雪月牙

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私は幼なじみに手を引かれ逃げた。息が上がろうが、足が痛かろうが、ひたすら逃げ続けた。 だが、直ぐに海賊達に追い付かれ幼なじみの彼は「逃げろ」と言って前に出る。 何故私をかばってくれるの? 一瞬の出来事で何が起こったのか見えなかった……いや見えていたが混乱のあまり頭に映らなかったのだ。 彼は目の前で、赤き雪の上に倒れる。 何でこうなるの? わからない わからない わからない わからない わからない わからない 私は……誰? この時、私は記憶なくしてしまったのだ。 目の前には、横たわる男の子。その前には不気味な笑みを浮かべる男達。 私も殺されるのかな? 死を覚悟した。 だがその時!! 「嬢ちゃん一人相手に野郎共数人が何やってるんだい?」 突如声が聞こえる。 私を助けてくれるの? でも何故? その声の主は海賊達を追っ払ってくれた。 「嬢ちゃん立てるかい?」 と言ってその人は私の腕を掴み立たせてくれる。 えっ!?私は座り込んでいたの? 自分が今どんな状況なのかわかってなかった。
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