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「そんな事ない。だって、この前子供達が仲間に入れてくれたもの。」
「それはお前が鬼だというのを知らないからだろう。
お前、自分の正体を話したのか?」
椿鬼は黙る。
「もうやめな。捕まったら最後、酷い目に会うのだから。」
目の前の囲炉裏で、炭がぱちりと音をたてた。
***
おーにさん、こちら。てのなるほうへー!
寒空の下、子供達は甲高い声を上げながら走り回る。
その様子を、椿鬼は影からじっと見つめていた。
(…しじまは、ああ言ったけど、人間が悪さをする様には見えない。)
納得がいかない、と椿鬼は下唇を噛み、考えこんでいた。
すると、
「わんっ!!」
「…わぁっ!?」
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