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ウラン学園の校舎が夕焼けでオレンジ色に包まれる。
「カイ…帰ってこないね」
不安げな表情でエンは言う。
カイがいなくなって3日が経つ。
「学園長心配ないって言ってたから大丈夫よ」
ウィンがそんなエンを励ます。
「学園長は休学の理由を教えてくれないし。
何かあったのかな」
側で話を聞いていたシルビアも不安げな表情をしている。
シルビアはこの頃夢を見る。
暗い暗い闇の中に眠るカイの夢だ。
初めて出会った時からカイには何かを感じた。
自分の名前をシルビィと言ったその時から。
自分でもそれが何かはわからない。
ただ、カイを見ていると胸が苦しいのだ。
「学園長のところに行ってくるよ!」
エンは決意したように立ち上がった。
「どうせ何も教えてくれないわよ」
ウィンは一つため息を尽きながら言った。
「それでもいいんだ!このままじっとしているよりね!!」
エンは学園長室へと勢い良く駆けて行った。
ウィンは仕方ないわね~っと呆れ顔でエンの後を追う。
シルビアもその後を追おうとした。
「ライは行かないの?」
窓際に立つライ。
金髪の髪が夕焼けで輝いている。
「行かへーん。どうせ教えてもらえへんもん」
そういうと近くに会った席に座った。
「そっか」
シルビアはライに背を向け、ウィン達の後を追った。
その姿を見つめるライの目が不気味に輝く。
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