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毎日送られてくる手紙には、若くて美しい娘と書いてあったらしい。
それについて皆で考えた結果、町外れに住むリクが「こいつでいいんじゃない?」という軽いノリでだいばってきされたのだった。
厄介払いだ。
両親が他界し一人暮らしのリクは、その血のような赤い髪のせいで町人達に気味悪がられ、遠ざけられていた。
だから丁度いい話だったのだろう。
生贄問題も解決するし、リクもこの町から出ていく。
しかしそんな話は当人にとって全然ありがたくないし、迷惑な話だった。
やたらと急かす町長が軽い身支度を無理矢理済まさせた。
そして「達者でな」なんて言って、町から追い出されて今に至る。
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