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暫く歩くと、森の終わりが見えた。
それと同時に大きくて白い屋敷も見えた。
心臓がばくばくと音を鳴らし、嫌な汗をかく。
そこに近づいてはいけないと本能で悟る。
やはり引き返した方がよさそうだ、と後ろを振り返ると……
「お前が新しい生贄か?」
漆黒の髪とルビーのような色の瞳。
まるで作りあげられたような、かなり整った顔つきの男が居た。
「味見させろ」
一時しか捉えることのできなかったその人物は、いつの間にか背後に居た。
そしてツプリとリクの首に牙をたてたのだった。
その僅かな痛みを最後に、リクの意識は途絶えた。
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