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眠る、眠る、眠り姫。
彼女は一体いつになったら目覚めてくれるのだろう。
シキは眠ったまま一向に目を覚まさないリクにそっと触れる。
彼女がこうして眠り続けるようになってからもう一カ月になる。
その間、彼女は少し病的に痩せた。
全ては誰かの策略で、自分達は今もまだ手のひらの上で転がされているのだ。
これ以上腹立たしい事はない。
せっかく幸せな日々を過ごしていたというのに。
それが足もとから崩れていく。
ことが起こった時、リクの側には誰も居なかった。
シキとアゼルは実家に呼び出され、ルウは庭師として他の家に行っていた。
本当はリクも一緒に実家まで連れていくつもりだったのだが、彼女はそれを拒否。
珍しく笑顔で「行ってらっしゃい」と言い、手を振ったのだった。
それに安心して屋敷を後にした。
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