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愛しい、愛しいあの人は、長い間奥底に眠っていた私の心を呼び覚ましてくれた。
私の氷のように冷たい体を、凍えながら抱きしめてくれた。
暖かいのは苦手だ。
離れてほしい。
でも温もりはほしい。
ずっと一人だった。
能力のコントロールが下手なせいで誰かに触れるとすぐに凍らせてしまう。
そんな自分が憎くて、同時に惨めで嫌だった。
だから初めて出会ったいくら触れても凍らない彼に、恋という感情をもった。
そんな私に彼は言った。
『僕でよければ何時までも側に居るよ』
その言葉は最も嫌う暖かい日差しのように、心の中に染み込んだ。
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