◆出会い

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「お前は生贄だろう?」 「そうみたい」 「嫌じゃないのか?」 「別に」 自分は独りだった。 この血の色をした髪を気にして、極力誰とも関わらないようにしていた。 だから迷いなく選ばれたのだろう。 そうでなくても小さな町だ。 娘の人数なんて限られていた。 女に産まれたことが不運だったのだ。 「僕は、死ぬの?」 「いや、殺しはしないが……」 血は分けてもらうと困ったような表情で言った赤い目の彼に、リクは首を傾げた。 食料を求めたのは彼だ。 その生贄相手に何を困ることがあるのだろう。 「俺はシキ。こいつはアゼル。何かあったら呼べ」 シキと名乗った青年は、黒いロングコートを翻して部屋から出ていった。
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