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「君さあ、変わっているよね。シキじゃなくても扱いに困っちゃうよ」
「変人」
扉が閉まると同時にリクの隣に座ったアゼルに、びしりと指をさす。
「失礼だなぁ。ただの吸血鬼じゃん。安心、安全をモットーにしているんだよ?ほぼ無害だよ」
「それは嘘。怖い」
「怖いの?全然表情変わらないから分からなかったよ」
俺ビックリしちゃった、と頭をぐしゃぐしゃとなでてくる。
そして「怖くない、怖くない」と暗示をかけるように言い始めた。
小さな子供ではないのに。
リクは頬をふくらました。
「やだ」
「我儘なお姫様だなぁ」
「生贄」
「いいじゃないか姫で。この部屋に居ていいのは君だけなんだからさ」
言い終わると同時に、ちゅ、と額にキスしたアゼルを全力で引きはがす。
変人は訂正しなければ。
こいつは変態だ。
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