鼓 動

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 水面に映るは、息子の姿。 「ほんに、可愛げのない奴じゃのう」  呆れたような口調は裏腹に、表情は楽しげである。 「久々に参るとするか」  その手には、ある物が握られていた。 「早よう、あれの驚く顔が見たいものじゃ」  先頭を歩いていた犬夜叉は、初めて嗅ぐ匂いに足を止めた。 「ん…」  殺生丸に少し似た匂いだが、少しも嫌な匂いはしない。 「…変だな」  初めて嗅ぐ匂いなのに、どこか懐かしいと思った。 (花と水の匂いー)  覚えておいて、損はなさそうだ。
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