りんの為なら…

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②勘違い 蔵のことを考えながら歩いていると、いつの間にか「犬夜叉の森(彼が封印されていた場所)」の中に入っていた。 「殺生丸。ちょっといいか?」 振り返ると、一人の老婆が立っていた。確か犬夜叉を封印した巫女・桔梗の妹の… (…楓、だったか?) 「りんのことで話があるのだが」 「どうした?」 楓は緊張していた。 言い方を間違えれば、自分が殺されかねない。 「りんに縁談の話があるのだが……」 …ほう、縁談か……。 りんもそういう年頃に……。 私はゆるく口の端をつり上げ、楓という老婆を見つめた。 顔色が悪そうに見えるのは、気のせいだろうか。 「ほう。それはめでたきことだ…」 普段見れない「微笑」に怯えているのだろうか。  ※楓には「冷笑」に見えています。 「すぐに祝言を挙げねばな。  …相手は、どこのどいつだ?」 両腕を組むと、何故か楓は慌て出す。 「待て、怒るな!…早まるな!」 「…何を言っている?」 素性を訊いただけなのに、老婆は何か勘違いをしているようだ。
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