鼓 動

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 川から上がると、赤い衣が視界に入った。 「犬夜叉さま」  先ほどは見かけなかった人物に声をかけた。 「おう、久しぶりだな」  その横では、弥勒が獲った魚に串を刺している。 「なありん」 「はい?」 「最近、何か変わったことはねえか?」  先ほどりんの前に現れなかったのには、理由があった。 「特にありませんが、どうしてですか?」  りんはまだ気付いていないのだろう。 「いや、いい。何でもねえ」 「犬夜叉も気付いているんだね」 「ならば、かごめ様も気付いているでしょう」  りんの知らぬところで、内緒話が交わされていた。
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