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そういった瞬間、皆が群がった。俺はそういうの嫌いだから知弘の所にいって、二度寝してる奴を起こした。
「バカ、起きろ。一時間目数学だぞ」
数学と聞いて起きた。
「やっべぇ。数学とかあいつかよ。ミスターサ〇ンか、最悪だな」
サ〇ンというのはパンチかけた中年の教師を指していて、こいつがまた厳しくて怖いのだ。
「てか、あんだけ騒いでたのに寝てたのか」
結構うるさかったが。
「睡眠時間が少ないんだよ。あと、寝てない。」
喋っていると転校生の憂那がこっちへ来た。
「どうも」
「木下知弘、なんで寝てたの?」
スルーかよっ!しかも知弘って。
「だれ?寝てちゃ悪いのかよ」
知弘が振り返った瞬間、ものすごいビンタが来た。
「目、覚めた?」
「っつ、それで目が覚めたらさっきのグーで起きてる」
今ので両方にスイッチが入ったな。
周りは驚いていたり、笑ってる奴がいた。
「えっ何?あんた目立ちたがり屋なの。転校して皆にちやほやされて天狗になってる?バカだろ」
「やめろ、アホ!」
俺は完全に切れてる知弘を押さえ、
「まぁまぁ抑えて、落ち着けって」
京治が止める。こういう場合の京治はすごく頼もしい。
憂那は舌打ちして席に戻った。
「きのぴー、お前アホじゃねーの?」
京治が言う。
「初日から敵に廻してどうすんだ」
俺は知弘の頭を叩いた。
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