1:紅茶とイケメン+α

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山中の実家から約2時間。 大荷物を引きずりながら、やっとこさ辿り着いたここが、今日から私の暮らす所。 木造瓦ぶきじゃない、まさにモダン!なデザインのお宅にかかってる表札は「上下」 『じょうげ』ではなく『かみしも』さん。 しみじみ変わった名字だと思いつつ、震える手でインターホンを押した。 ポーン、という軽い音の後に『はい、どちら様ですか』と何故か若い男性の声。 私の(勝手な)イメージでは、下宿=気の良いおばさんだったため緊張倍増。 「きょっ、今日からお世話ににゃります羽柴 妃芽(はしば ひめ)です!」 盛大に噛みながら名乗る。 補足として「完璧に名前負けしてる超フツーの女子です!」と付け足しても良かったけど、空しくなるのでやめた。 ガチャっと開いたドアから現れたのは、巨神兵。 ではなく、かなり背の高いお兄さん。 (一人ですが)一同唖然。 平均身長な私の目線は彼の胸の辺り。 180は絶対あるとみた。 そして何より私を唖然とさせたのは、その容貌。
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