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山中の実家から約2時間。
大荷物を引きずりながら、やっとこさ辿り着いたここが、今日から私の暮らす所。
木造瓦ぶきじゃない、まさにモダン!なデザインのお宅にかかってる表札は「上下」
『じょうげ』ではなく『かみしも』さん。
しみじみ変わった名字だと思いつつ、震える手でインターホンを押した。
ポーン、という軽い音の後に『はい、どちら様ですか』と何故か若い男性の声。
私の(勝手な)イメージでは、下宿=気の良いおばさんだったため緊張倍増。
「きょっ、今日からお世話ににゃります羽柴 妃芽(はしば ひめ)です!」
盛大に噛みながら名乗る。
補足として「完璧に名前負けしてる超フツーの女子です!」と付け足しても良かったけど、空しくなるのでやめた。
ガチャっと開いたドアから現れたのは、巨神兵。
ではなく、かなり背の高いお兄さん。
(一人ですが)一同唖然。
平均身長な私の目線は彼の胸の辺り。
180は絶対あるとみた。
そして何より私を唖然とさせたのは、その容貌。
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