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「おい因幡!」
その声でハッと我に返る。横には田口がいた。
田口「いつまでボーッとしてんだよ!もう皆ベンチに戻ってるぞ」
因幡「ああ、ごめん。あまりに凄いバッティングだったから呆然としちゃってた…」
田口と因幡はベンチに向かって歩き出した。
田口「まあ、確かに凄かったけどな。あれは多分真ん中から外角低めに逃げるスライダーだぜ。多分あいつが軽くオープンスタンスっぽかったから外角攻めにいったんだな」
田口は腕を組みながら言った。
因幡「スライダー?初めて投げられたスライダーをあそこまで打ったのか!?本当凄いよなあ~マジであれならプロも行けるぜ」
ベンチに着いた。
部員達はそれぞれ別れて話している。
多分内容はさっきのことだろう。
海音寺は一人で黙って隅のベンチに座っていた。
田口「お前ならどうやって奴を打ち取る?」
田口はグラブをベンチに置きながら言った。
因幡「俺だったら?どうやるかなあ~。変化球より緩急つけた直球で攻めてみるかなあ」
因幡は特に何も考えずに水筒をバックから取り出しながら言った。
水筒の中にはスポーツドリンク【ボカリスエッド】が入っている。
ボーッとしていただけなのに因幡の喉はカラカラだった。打たれた宮田を自分と重ねてしまったのかもしれない。
自分が宮田の立場だったら相当ショックだろうなあ……
因幡はそんな事を思いながらスポーツドリンクを飲んだ。
ああ、喉が渇いてるときのスポーツドリンクはやっぱり最高………
田口「なあ、俺とお前のバッテリーでやってみようぜ。海音寺との勝負!」
田口のその言葉を聞いた因幡はスポーツドリンクを全て噴き出した。
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