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最初に名指しされたのは、初めに「そうっすけど」といった男子だった。
髪の毛はなく、坊主頭になっている。
まさに『俺は野球部!』といった感じだ。
『俺は茶道部!』といった感じはない。
「あ、はい。
福井潤(フクイジュン)っす。ポジションはファースト、打順は5番でした。えーと、打撃は自信があるので、頑張りたいです。」
因幡はかなり適当な自己紹介だと思ったが柏木監督はうんうん、と頷きながら聞いていた。
柏木「あ、メンゴ。出身中学も言ってもらえる?」
因幡&田口(メンゴ!?)
既に死語と化している『メンゴ』をサラリという柏木に因幡と田口は衝撃を受けた。
ちなみに『メンゴ』とはごめんの事である。
福井「あ、はあ。岸門中学です。」
柏木「はい、ありがとうね福井くん。覚えたよ。じゃあ次はYOU。」
柏木監督は横の小柄な男子に言った。
男子の体が少し震える。緊張しているのだろうか。
「く……
黒野裕一(クロノユウイチ)です。
……ポジションは一応ショートで打順は九番で、
……村山東からきました。
頑張りたいんで………
よろしくお願いします……」
因幡には風の音しか聞こえなかったが、柏木監督はちゃんと聞いていたようで、またもや頷いている。
次の男子は柏木監督に言われる前に自分からすぐに自己紹介を始めた。
「宮田大伍(ミヤタダイゴ)センターで四番、木山中学から来た。」
周りがざわつく。木山中学はここの地区で優勝したトップクラスのチームだった。
しかし柏木は知らないのか表情を変えなかった。
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