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グラウンドのバックネット前。
真新しいホームベースの横に海音寺が立っていた。
ピッチャーマウンドには宮田がいる。
周りでは他の部員達が真新しい数々の道具に目を光らせていた。
因幡と田口はベンチに座り、海音寺と宮田を眺めていた。
因幡「あいつのピッチャーとか見たことないよなあ」
田口「ああ、投げ込み見ないと分からないな。どのくらいのピッチャーか。まあ多分そんなにたいしたことはないと思うけど」
と、ホームベースの所へと走る人影が見えた。
キャッチャー装備一式を付けた柏木だった。
そして部員達は柏木を見て目を疑った。
柏木は全身ピンクの林家ペーパー状態になっていた。
ピンクのマスクを始め全身ピンク…
柏木は元々黒のスーツを着ていたので凄まじいダサさを醸し出している。
そして手にはボロボロの古びたキャッチャーミットがはめられている。
周りの綺麗でピカピカの道具と比べて不気味なほど黒ずんだキャッチャーミット。
そしてそのキャッチャーミットには赤マジックで
『ひらのたけし』
と書かれていた。
明らかにどっかからパチってきたやつである。
部員の全員がその柏木監督のおかしな姿を見ながらベンチにやってきた。
福井「そういえば、あの監督野球経験あるのかなあ」
そのとき柏木が宮田目掛けてボールを投げた。
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