愛の傷

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いつの間にか眠ってしまった。 「痛てぇ…」かすかに聞こえる裕志の小さな声。 時計を見ると朝6時。 「どーした?!」私わ慌てて起きた。 「さっき壁殴った時…」 しかめっつらで話すのもままならない裕志。 「ごめん…ごめん…」また私わ泣き出した。袋に氷を入れ裕志の手を冷やす。 見れば手わ熊の手のょーに腫れ上がっていた。 「折れてるょ、骨。絶対病院行って、今日」 ずっと着いてたかったけど今日もタイムリミットが来た。 午前中裕志カラ電話― 「折れとった☆聞いて~!しかも複雑骨折☆」 「笑い事やない!痛くない?大丈夫?」 「余裕♪まぁ、複雑骨折するぐらいお前が好きてコトやろね☆愛の傷~!笑」 店の人達に本当の理由を言えるはずもなく、鍋を磨いてたら手が滑ってぶつけたと言ったらしぃ。遠藤サンわ本当の理由を知っていた。 裕志わ手が治るまでやたら甘えてきた。商売道具の右手…代われるなら私が代わってあげたかった。 その傷わ【愛の傷】ぢゃない私が裕志につけた【心の傷】だ。
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