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「大輝は?」
「俺は入らないつもりだ」
大輝はそう言いながら赤い頭をポンと叩いた。
確かにそれだと何かと問題あるからな。
「ていうかさ、そもそも大輝は何で赤い髪なの? 地毛?」
いや、地毛な訳ないだろ百合……
地毛で赤髪なんてアニメとか以外はない。よな?
「……一応理由はある。けど、あまり言いたくない」
大輝は再び遠くを見つめた。どこか切なげで、何かを思い出しているようだった。
じゃあ部活に入るのは俺だけか? 百合はわからんが瑠魅は何となく入らなさそうだからな。
「ごちそうさま~! やっぱりみんなで食べるとおいしいよね!」
俺が食べ終わるとそれを見た百合が言う。百合もう食べ終わってるんだけどな……
食事中百合以外ほとんど喋ってない……というか百合のマシンガントークで喋らせてもらえなかった。
そして途中の今朝道で鳩が車に……の話から食欲が全くなくおいしく感じられなかった。話す内容考えような百合。
瑠魅と大輝は全然平気だったらしく、俺が1番最後に食べ終わった。いや、もしかしたら聞き流してるだけかも……
「さっ! 早く戻ろ!」
百合が立ち上がり、スカートを払って出口へ向かう。
数秒後に瑠魅が全く同じ仕草をし、歩き出した。
「なぁ駿? 今週の土曜にでもお前の家に行っても良いか?」
「あぁ、別に構わねぇよ」
俺の返事を聞いた大輝は小さく頷き、立ち上がり歩き出す。何か用事でもあるんだろうか、そう考えながら俺もそれに続いた。
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