3.部活

3/12
前へ
/246ページ
次へ
  「大輝は?」 「俺は入らないつもりだ」  大輝はそう言いながら赤い頭をポンと叩いた。  確かにそれだと何かと問題あるからな。 「ていうかさ、そもそも大輝は何で赤い髪なの? 地毛?」  いや、地毛な訳ないだろ百合……  地毛で赤髪なんてアニメとか以外はない。よな? 「……一応理由はある。けど、あまり言いたくない」  大輝は再び遠くを見つめた。どこか切なげで、何かを思い出しているようだった。  じゃあ部活に入るのは俺だけか? 百合はわからんが瑠魅は何となく入らなさそうだからな。 「ごちそうさま~! やっぱりみんなで食べるとおいしいよね!」  俺が食べ終わるとそれを見た百合が言う。百合もう食べ終わってるんだけどな……  食事中百合以外ほとんど喋ってない……というか百合のマシンガントークで喋らせてもらえなかった。  そして途中の今朝道で鳩が車に……の話から食欲が全くなくおいしく感じられなかった。話す内容考えような百合。  瑠魅と大輝は全然平気だったらしく、俺が1番最後に食べ終わった。いや、もしかしたら聞き流してるだけかも…… 「さっ! 早く戻ろ!」  百合が立ち上がり、スカートを払って出口へ向かう。  数秒後に瑠魅が全く同じ仕草をし、歩き出した。 「なぁ駿? 今週の土曜にでもお前の家に行っても良いか?」 「あぁ、別に構わねぇよ」  俺の返事を聞いた大輝は小さく頷き、立ち上がり歩き出す。何か用事でもあるんだろうか、そう考えながら俺もそれに続いた。  
/246ページ

最初のコメントを投稿しよう!

241人が本棚に入れています
本棚に追加