3.部活

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  「この辺だな」  30分ほど歩き続けた所で大輝が言った。 「おい中野、まだ起きねぇか?」 「むぃ……」  むぃ? 何を言ったのかはわからないが、起きそうにはない。 「1軒ずつ見てたらキリがないよ」 「そうだな、誰かに訊くか……」  大輝が百合にそう返して辺りを見渡した。が、近くを通っていく人は皆、俺達を避けるように歩いていく。  やっぱり大輝が怖いんだろうな。仕方無いと言えば仕方無いんだけど、何か耐え難い。  大輝はと言うと、特に何か反応を見せる事なく歩いていた。 「……右」 「あ? 起きたか?」  大輝が言うと背負われている瑠魅が首をゆっくり縦に振った。 「降りるか?」  首を横に振る瑠魅。どうやらまだ眠いらしい。 「家まで送るか……」  大輝が少しため息を吐いて呟いた。 「ここを右だな……その次は?」 「……右?」 「訊かれても困る」  大輝がそう返しながら交差点を右に曲がった。俺達は後ろで何となくそのやり取りを眺めながら付いていく。 「ん」  10分程歩いたところで瑠魅が1軒の家を指差した。どうやらこの家らしい。 「ほら、降りろ」 「むぃ……」  降りようとしない瑠魅。  ……むぃって何だ? 「ったく、仕方無ぇな……」 「あっ、私インターホン押す!」  百合がそう言って大輝の前に出てインターホンを押した。百合は百合でやっぱりよくわからない。  
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