3.部活

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  「じゃあ俺達はそろそろ……」  少し話をした後、大輝がそう言って立ち上がった。 「あ、もう少し待って? たぶんそろそろ帰ってくるから……」  そう言ったのとほぼ同時に、車が近くに止まる音がした。 「ただいま~……」  玄関のドアが開き、男性の声が聞こえる。それと同時に瑠魅の母親が立ち上がり玄関に走っていく。瑠魅の父親だろうか。 《ねぇ、駿》  耳元で百合が囁いた。何かむずむずする。 《何だよ》 《私達邪魔じゃない?》  そんな事を言われても、この状況で俺達だけ帰る訳にもいかない。  しばらくした後に2人が居間へ入ってきた。  入ってきたのは瑠魅の母親と、30代くらいの男性だった。 「娘が世話になったね」  そう言って頭を下げてきた。俺達はそれを返すように頭を下げる。やっぱり瑠魅の父親みたいだ。  瑠魅の両親が前に座ると、俺達に座るように促した。  誰かの親とこうして話すのって初めてだ。何か変に緊張する。  と言うか、緊張のあまりほとんど喋ってねぇ。 「瑠魅は1回寝たら起きないんだよねぇ……」  瑠魅の父親がそう呟いた。 「見ての通りまだ子供みたいな子だけど、これからも瑠魅の事、どうかよろしく頼むよ。同級生として、友達として……」  大輝は何も言わずに頷いた。俺達もそれに合わせて首を縦に振る。  瑠魅はきっと、とても大事に育てられてきたんだろうな。  少しだけ、羨ましいと思った。  ガチャ……  ドアの開く音がした。リビングの入口を見ると、瑠魅が目を擦りながらこちらを見ていた。  
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