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入学式の時間までまだ多少残っていたので、その間百合と色々話した。
百合は俺とは違う中学で女性らしい。
……いや知ってますけども。でもそう言われたんだから仕方ない。
家は俺とは逆の方向で学校まで徒歩20分、車なら『きっと5分』らしい。
とりあえずわかった事は『家まで徒歩20分』……恐らく隣の中学っていうのと『ちょっと変わった人』って事だ。
「あ、入学式始まるって!」
「入学式か~。校長の話長いだろうな~……」
「あぁ~わかるわかる! 校長先生って普段何してるんだろ。いらないよね?」
……いや、そこまでは。校長先生もきっと色々仕事あるよ?
俺からしたら教頭先生の方が……まぁ教頭先生も色々大変な仕事があるんだろう。きっと。
「そういえば百合は友達は?」
「仲良い人はみんな違うとこ行っちゃった。この高校に来たのは私1人だけ」
「ふ~ん……」
「あっ、いない訳じゃないよ! 疑ってない?」
百合が少し焦り気味にそう言ってきた。ちょっとからかってみよう。
「うん、まぁ少し」
「あ、ひど~い! そういう駿は?」
「百合と同じ」
「あ、じゃあ友達いないんだ」
「認めた!?」
やっぱりちょっと普通じゃないな……まぁ、悪い意味じゃないけど。良い意味かもちょっとわからない。
そんなしょうもない話をしながら体育館へ向かった。初対面でここまで仲良くなった人は初めてかもしれない。
体育館にはバスケのゴールが6つあって、隅にグランドピアノが置いてあった。特に変わった物はない、中学よりちょっと広いけど普通の体育館だ。
まぁ普通じゃない体育館がどこかの学校にあるのかはわからないけど。
校長の話はやっぱり長かった。一字一句として脳まで届きませんでした。耳には入ってたと思う。逆から抜けてたけど。
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