4.向日葵

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   園に帰った後は特に誰かと話す事も遊ぶ事もなく、ただベンチで空を眺めていた。  太陽はいつの間にか頂上を過ぎて、やがて空が赤くなっていく……  っと、今日もバイトだったな。そろそろ行かなきゃ 「御船さん、じゃあ俺は帰ります」 「あら、もうそんな時間? 美希ちゃんとどこか行ってからずっと上の空だったけど……大丈夫?」 「えぇ、大丈夫です」  俺はそう御船さんに返し、園の門へと向かった。本音だ、別に悩んでた訳じゃない。  まぁ、上の空だったのも本当だけど。 「美希、俺は帰るから……」 「そう……うん、じゃあね」  美希はあれから御船さんをはじめ色んな人と話していて、それが終わったら園のひまわりを眺めていた。 「じゃあ、またいつか」 「うん」  俺はそう言って園の外へ出た。美希は俺が園の門から出るまで、ずっと俺の方を見ていた。  ここからだと俺の家よりバイト先の寿司屋の方が近い。だから俺は家には向かわずに直接寿司屋へ行く。  いかん、何か変な気分だ……まぁ無理もないか。  でも切り替えなきゃ。何たって寿司屋に行くと……  ガチャ。裏口のドアを開けて中に入る。 「おはようござ……」 「おはよ~駿! 元気だった~!?」  明るい声が俺の声を遮って飛んでくる。その高いテンションは今の俺には少々きつかったが、それと同時にありがたかった。  そう、気持ちを切り替えなきゃいけない。何たって寿司屋には、色んな意味で凄い人がいるから……  
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