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「うまい……」
「ほんとっ? やった!」
百合は俺に隠そうともしないでガッツポーズをする。
「百合って料理できたんだな」
「できるよ! それなりに!」
いや、それなりにってレベルじゃないだろこれは。
俺の中では元気で天然な女の子は料理が殺人的だという事が決められているんだ。夏に生まれたのにも関わらずそれとは正反対の名前を付けられた女の子とかね。
ただこれは本当に旨い。結局俺は1度も箸を止めずに完食した。
「……あれ?」
食器を流しに運んだ時、ふとあることに気付いた。フライパンが使われてない。作った直後に洗った感じもなく、本当に使ってないみたいだ。
「百合? このハンバーグどうやって作ったんだ?」
「え? ん~とね……お肉とうまい棒とたまねぎを混ぜて…」
「ちょっストップ! それマジで言ってんのか?」
当たり前のように頷く百合。いや、間違いなく何か1つおかしな物が入ってただろ!
……ダジャレじゃないぞ?
「2番目何て言った?」
「うまい棒だよ! あ、因みにめんたい味。砕いて混ぜるとつなぎと味付けができるんだよ!」
なんとまぁ変な事するな……
俺パン粉か食パンで頑張ってたのにそんな簡単にできるのか……
さて、パンと言えば次の質問だ。
「パンはパンでも食べられない例のアレは使ってないのか?」
「パンはパンでも食べられない魚焼きグリルで焼いたよ!」
よし、敢えて言わせてもらおうか。
パンじゃなくね? 食べられないパンですらなくね?
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