4.向日葵

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  「で?」 「え? 何?」  今度は俺が百合に訊く。現在の時刻……午後10時。よく考えたら勉強なんてしてる暇なかったな。 「そろそろ帰らないとヤバいんじゃねぇのか?」 「ん~……そう、かな?」  百合は壁に掛かっている時計を見るとそう言った。 「じゃあ帰ろっかな!」  百合は荷物を持ち、玄関に向かう。俺もそれについて行った。 「じゃあまた明日ね!」 「あぁ、またな」  百合は「おじゃましました~!」と元気に言い、家から出ていく。  俺はそれを見届けて再び居間に向かった。  ……らいけないよな? 俺は百合に続いて外に出た。 「危ないから送るよ」 「あ、ほんと? ありがと!」  別にこの辺りにそういう不良と呼ばれる人はあまりいないが、それでもこんな遅くに女の子が1人で外を歩くのはまずいだろう。  当たり前だが外は真っ暗で、月が凄く明るく感じた。 「あ……」 「え? どうしたの駿?」  帰り道の途中、見慣れた所を横切った。  ひまわり園。消灯時間を過ぎ、もうすっかり静かになっている。 「ここって孤児院だっけ? 酷いよね。自分の子供を捨てるなんて……」 「……あぁ、そうだな」  全くだ。どんな理由があった所で許されることじゃない。  俺は今も親を恨んでるし、これからも許す事はないだろう。  アイツと違い、俺は強くも優しくもない。 「駿?」 「あ、悪い。何でもない」  俺は百合にそう言って再び歩き出した。  
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