4.向日葵

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   俺の家から歩き始めて20分程経った。この辺にはあまり来ない。住宅以外何もないから。 「あそこを右に曲がったらもうすぐ私の家だよ!」  百合がそう言って少し歩くのを早めた。曲がり角の近くまで行くと、何人かの話し声が聞こえてくる……  そこを曲がると、同い年ぐらいの人が5人道に座って話をしていた。 「お、小山じゃねぇか」  その中の1人がそう言って立ち上がる。赤い髪はもう見慣れてるので特に何も思わない。大輝の方が全然デカいし。 「……行こ」 「え? あぁ……」  百合はそいつを見ると明らかに不機嫌になり、俺にそう言って歩き出した。 「おい! 待てよ小山!」  赤髪の言葉を完全に無視し、百合はスタスタと歩いていく。  百合がここまで不機嫌なのは珍しいな……というか初めてなんじゃないか? 「あ、ここで良いよ!」  そこから1本道で、数分歩いた所で百合は立ち止まって言った。百合の家はこの近くらしい。  できれば百合の家を見てみたかったけど。まぁ仕方ないか。 「じゃあ、また明日」 「うん、またね!」  百合はそう言って歩いていく。 「あのさ、百合……」 「え?」  百合が振り返る。 「……何でもない。またな」 「うん、またね!」  百合は再び歩きだした。  さっきの人の事訊こうと思ったけど、やめた。たぶん知り合いなんだろう。この辺りに住んでるなら、ただの中学の知り合いか、それとも……  どうにしろ、やっぱり訊かない方が良い。例え訊いた所で話してくれるかわからないし、昔に何かあったって、俺にはどうにもできないから。  
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