4.向日葵

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   あの曲がり角から百合の家まで1本道だったから当然その道を通って帰る。  そこにはまだあいつらがいるわけで…… 「おい、ちょっと待てよ」  やっぱり声を掛けられた。 「何か用?」 「お前、小山の彼氏か?」  今日は何かとこれが出てくるな。一々否定するのも面倒になってきた。 「別にそんなんじゃねぇよ」 「じゃあ何だ?」 「……友達だ」  たぶんこいつは百合の中学の同級生だろう。  ただ、同じ赤髪でも大輝とは違い、ヤな感じの奴だ。 「あいつ、昔何やったか知ってるか?」  百合の過去? そんなのどうせ今と変わらないだろ…… 「知らね。悪いけど急ぐから」 「教えてやるよ。あいつはな……」 「じゃあな」  俺はそれを聞かずに曲がり角を曲がって歩き出した。  百合が昔どうしたかなんて関係ない。  ただ、百合は俺の友達。それだけだ。  しばらく歩き、俺は静かなひまわり園の前で立ち止まった。 「関係ないも何も、俺だって百合に隠し事してるしな」  百合に昔何があって何を隠していようが、俺にはそれを怒る権利なんて無い。もちろん、そんな権利あっても使うつもりは無いが。 「お、駿じゃねぇか」  その声で振り返ると、再び赤い髪が目に入った。今回は良い奴の方だ。  
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