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「…………それは…」
「私が負けたら、なんでも言うこと聞く。先生が負けたら私と付き合う。どう?先生からしたら、何もマイナスなことは無いでしょ?」
まぁ……
負けた時は?
俺が笹神に惚れた時だから、交際をはじめることに何の文句も無いわけで……
「あのな……俺には今の時点で嘘っぽく感じてならないけど…笹神の“好き”は。」
「嘘じゃないですよ。じゃあ、嘘になった時は正直に言います。そもそも、好きじゃない人には嘘でも、好きなんて言わないですよね?」
高校教師なんて職業についていると、一度は生徒からの告白…なんて考えてしまう。
嘘ではない。
だが、こんなんだったか?
ラジオ体操みたいなノリで好きを乱用されて…ときめくわけないだろうよ。
「俺は、お前に嫌われればいいんだな?」
「え?そんなことしなくていいよ!」
「は?それじゃあ…勝負にならないだろ…」
「先生は特に何もする必要はない。ただ、私を好きにならないだけでいいの。私が先生を好きじゃなくなるまで。」
うーん…
「だって先生。担任をもってるクラスの生徒に嫌われたいと思ってる?それに自分を好いてくれてる人にわざわざ嫌われたいなんて、ジャイアン以上のヤバさですよ。」
…………笹神の言葉は、合理的で反論の余地が無い。
コイツ…年下だよな?
「そうだけど……」
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