第1話 小さな雨

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「はぁ……はぁ……」 バシャバシャと足が水溜まりを踏む。 視界が霞む。 足が震える。 「おい!!どこ行った!?」 「大人しく戻って来い!!」 な……何が大人しくだ……。 もう嫌だ。 「くッ……!!」 足に鈍い痛み。 どこかで捻ったみたい。 でも……捕まりたくない。 「あ……」 ここなら……誤魔化せるかも。 そう思って私は、ごみ捨て場の小さな段ボールに入った。 コツコツと聞こえる足音、怒号。 お願い……早く諦めて。
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