第1話 小さな雨

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「さて、本題に戻るか」 一通りじゃれあった所で、いい加減に今日来た本当の理由を消化しないと。 なんか惜しいけどね……もう少しふざけてても良かったかも。 ………っと雑念雑念!! 剣と一緒に居たいなら、早く用件終わらせちゃえば良いんだよ。 「はい、これ成美から」 「へいへい」 鞄を剣に渡す。結構重たかったんだよねぇ。 「こりゃまた随分な量だな」 鞄から溢れ出そうな書類。てか溢れてるね。成美どんな入れ方したのさ……。 「うん、成美が剣にも確認とっておいてって」 「溜めすぎだろ」 はぁ……と溜め息を付く剣。確かにこの量の確認は骨がおれるよね。 それで、なんか暇になっちゃったから、ふと周りを見渡す。 うん 「剣、片付けない?」 「掃除か?そう言やしばらくやって無かったな」 「本当、紅やジルも居るのになんでこんな――」 散らかってる女性誌、中等部の制服、アクセサリー。 「まぁ、だらしねぇのは俺だけじゃないって事だ」 納得。 ふふふ、良いじゃない、なんか燃えて来たわよ!! 「さぁ!!掃除始めるわよ剣!!」 「随分やる気に満ちてんな、何か良い事でもあったのか?」 違うわよ!!逆よ逆!!ヤケクソよ!!て言うか何のんびりコーヒーなんて飲んでるのさ!!
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