第1話 小さな雨

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ふと、今家を掃除してるアイツの事を思った。 アイツならどうするか。 まぁ、まず野次として観戦、ここまでは俺と変わらずだな。 問題は次だ、きっとアイツの事だ。このやり取りに横槍刺して少女を助けるだろう。 んで、ヤンキーに食い付く訳だ。あーでも無いこーでも無いとあらゆる事言ってヤンキーを口で鎮める。 流石にこの群集の中、ヤンキーも下手に暴力は振るわないだろうからな。 で、結局愚痴りながらヤンキー退散。アイツは「頑張ったね」とでも言って少女の頭を撫で、「お怪我は?」とでも言って婆さんに近寄るだろう。 拍手喝采、一気にヒーローって所かな? アイツは「いやいや」とはにかみながらその場を後にする。 こんな所かな。 「んな所か、ははっ」 足し算よりも簡単な計算に思わず笑ってしまった。 たまには、そんな役も良いかもな。
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