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トントントン
麗らかな春の朝
キッチンにて野菜を刻み
家族のお弁当と食事を用意する
「よ~し 後は父さんと母さんを起こすだけだね。」
三角巾とエプロンを椅子に引っ掛けて両親の寝室へ
ドアを開けると両親が等しく寝息を立てている
ちなみに時刻は7時半
朝に弱い両親の代わりに朝の家事をこなすために必然的にその子は朝に強くなったと思われる
「起きてー! 朝だよ!」
布団をめくり両親を起こす
すると以外にも父親が先に半身を起こした
「んー? おはようさん 葵、 母さんに似て今日も可愛らしいな…」
三十代前半の父親が子供の名前を呼ぶ
言動からわかるように夫婦仲は円満で毎晩お盛んです
「僕に可愛らしいって何さ~? 寝ぼけて無いで母さんを起こしてね?」
「ん、わかった」
それからしばらくして親子三人が朝食をとる
「ずぅ~… この味噌汁美味いな。 葵は良いお嫁さんになれるぞ」
「父さん……僕は男だよ?」
「そうね、言うならお婿さんよね。」
そう言う問題じゃ……
そう言いかけ黙る葵
どうやらこのやりとりはいつものことのようだ
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