破天荒な彼

6/20
14396人が本棚に入れています
本棚に追加
/530ページ
  雪兎「さて先輩、貴方に聞きたい事があります」  本題に入る為、顔つきが真剣になる。霧野先輩は少し戸惑いながらも、僕が何か言うまで口を開かない。  雪兎「貴方は、理事長派、彼の弟派…どちらかに付いてたりしますか?」  篤志「!?」  僕が言った言葉に、霧野先輩は驚愕に満ちた表情を浮かべていた。驚くのは無理もない、何せ僕は此処では一般庶民の外部生となっている筈。  大きな会社に働いてないとこの話が耳に入る事はないし漏れる事もない。  それに小さな会社にこの話が出る事先ずない、何故なら聞いたにしても直ぐ見つかって潰されてしまうからだ。  仮にもしどちらかの派についても一瞬で相手派に潰されてしまうし、そんな小さな会社をどんどん潰せば市民も黙ってない。  要するに彼等にとって小さな会社は虫でしかなく、戦場には邪魔でしかないのだ。  そんな会社に親がいる事になっている僕がこの話をするのは絶対にあり得ない、だから彼は驚いている。  雪兎「霧野先輩、どうなんですか?」  詰め寄るように問い詰める。先輩は冷や汗を流しながら困惑な表情で僕を見ている。  篤志「お前一体……」  雪兎「答えないのなら僕から言いましょうか?  こちらとしてもあまり無駄な時間は取りたくないので、貴方がもし自分で言わないなら…どちらか付いてる事になり殺す事になりますよ」  その発言に先輩は凍り付いた。まぁ、殺すなんて言われたら誰だってそうだろう。
/530ページ

最初のコメントを投稿しよう!