破天荒な彼

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  篤志「俺…は……俺の親の会社…は……」  ゆっくり、途切れ途切れではあるが先輩は言っている。  篤志「俺の親の会社は…      どちらにも入ってない」  霧野先輩は意を決してはっきりそう言った。僕が本当は誰なのか、何の目的でそんな事を聞くのか、今の彼にはそれしかないだろう。  雪兎「……それを聞いて安心しました」  篤志「……?」  雪兎「先輩、僕が何故こんな事を聞いたか…教えてあげましょうか?」  僕の問いに先輩はまだ困惑気味だが、小さく頷いてこっちを見ている。  雪兎「だったら条件があります、この条件は僕にも貴方にもメリットはありますよ?」  篤志「な、なんだ…その条件って…?」  僕は計画なしに動く事はない。そんな無鉄砲な事して自爆したくないからね。  雪兎「一つ目、貴方には生徒会の監視をして貰います  二つ目、貴方から僕を風紀委員長になるよう理事長に推薦、説得をして下さい  見返りは、この理事長派、その弟派の攻防戦をなくし彼等を社会から追放…でしょうか」  篤志「何…!?」  先輩は身を乗り出して僕の方をじっと見ていた。  僕は彼を味方にする為、わざわざ彼を此処へ呼び出した。  彼は生真面目で理事長からの信頼は熱い。  僕はあのクラスの学級委員なので、クラスの授業態度、服装を正しそれが教師の噂となる。そうすれば自然と理事長の耳にも噂は入り、難なく風紀委員長に上がれるわけだ。  風紀委員になれば生徒会と同じくらいの権力は握れるので、親衛隊も簡単には動けないだろう。
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