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中から消毒液とガーゼ、包帯を取り出し、手当しようと男に向き直る。
「手当てします。傷を見せて下さい。」
「…」
荒い息のまま無言でこちらを見返す男に、マキ〇ンとかかれた消毒液を見せる。
男は暫く私とマキ〇ンを交互に見つめていたけど、顔を背けてしまった。
「…どこのどいつかわからない奴を信用なんてできるか。」
眉間にしわを寄せ、吐き捨てるように言った男。
私は思わず「はあ?」と聞き返してしまった。
どこのどいつだ、はこっちの台詞だ。
「あなたこそ誰なんですか?人の家に勝手に上がり込んで。
見たところ年も私と同じくらいですし、怪我もしてますし、コスプレしてますし…。
ああもう、とにかく、早く傷を見せてください。」
「いやだ。」
「死にますよ?出血多量で。」
「…」
そう言うと、男はその言葉におずおすと肩から手を離し、傷をみせる。
ぶっちゃけこの程度の出血ならそう簡単に失血死なんてしないけど、こうでも言わなきゃ聞いてくれないだろう。
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