非日常へ

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久々に通る裏道は、表通りとは違い、真っ白だった。 どうやら2、3日前に雪が降った際に誰も雪かきをしなかったらしい。 アスファルトよりは歩きにくいけど、幸いあんまり積もっていないから歩くのに困らない。 しんと静まり返った裏道に、ブーツが雪を踏みしめる音が響く。 だらしないと思いつつ、冷え切った手をポケットに突っ込むと、多少寒さが和らいだ。 道を直進し、三つめの角で右に曲がり、そこからさらにまっすぐ進んで左に曲がって見える花屋の隣が、私の家。 暖を求めて自然と早足になり、角を右に曲がった頃には、小走りになっていた。
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