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滑らないように気をつけつつ、次の角を曲がった時、ふと、足を止めた。
道のど真ん中に横たわる炭のように真っ黒な塊。
最初はゴミかと思ったけど、どうも違うらしい。
近寄ってみると、それはどこにでもいる全身漆黒の鳥―カラスだった。
まだ生きているのか、それとも死んでいるのか。
もしまだ生きているなら、道の端にでもよけてやった方がいいかもしれない。
カラスの隣にしゃがんで、近くに落ちていた木の棒で軽くつついてみた。
するとカラスは一度大きく体を揺らし、起き上がって羽ばたこうと羽をバタバタ動かした。
「…よかった、生きてた。」
車道にいたら危ないから避けてやろうと手を近付けると、急に鴉が暴れだした。
警戒心が強いのかもしれない。
…いや、野鳥ならあたり前なんだけども。
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