非日常へ

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部屋の扉の前まで来て、中で物音がするのを聞いた。 またカラスが暴れ出したのかもしれない。 私は慌ててドアを開けると、先程までカラスがいたはずのタオルの上には何もいない。 「おーい」 ベッドの下を覗き込む。 何もいない。 「どこにいったのー?」 早く止血をしないと、危ないかもしれない。 他の場所を探そうと、頭を上げた。 ――その瞬間、首筋に何かが当たるのを感じた。 何なのかを確認しようと振り返ろうとすると、それを低い声が制止する。 「動くな。」 その声に背筋がピンと伸び、嫌な汗が伝った。
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