非日常へ

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横目で首筋を確認すると、そこには鋭利なものが当てられていた。 夕日を受けて赤く光を反射している。 ぞくりと、恐怖で肌が泡立つ。 強盗、だろうか。 今朝ニュースで流れていた強盗殺人事件が、ふと頭をよぎる。 被害者は自宅で一人で いたところを襲われ、金を奪われ殺害されたらしい。 明日ニュースには、被害者として自分の名前が全国に放送される。 そんな嫌な想像が頭に浮かんだ。 無理無理。絶対いや。 ばくばくと心臓が悲鳴を挙げる。 「お前…」 男が口を開く。 大げさなくらい、私の肩が跳ねる。 金を出せとか、通帳はどこだとか言われるのだろうか。 生唾を飲む音が、やけにハッキリと聞こえた。 しかし、次に彼が発した言葉は私にとって予想外のものだった。 「お前は誰だ?」 「…え?」
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