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「あの人に気に入られたい」
そのためにももっと可愛いくもっと可愛いく…
理由はどうあれ大抵の女性は
自分自身に自信をつけるために粧をほどこしている。
狭山 マユ(さやま まゆ)は中小企業で働く、所謂(いわゆる)OLである。
20歳で入社してから7年が経とうとしている。
「狭山せんぱぁい?今日ぉお昼どうするんですかぁ??」
鼻にかかった甘ったるい声で声をかけてきたこの女、今年入社してきた七瀬 ハツネ(ななせ はつね)。
明るめの茶色い長い髪を巻いて化粧ばっちり更に私よりも6歳も若い
同僚の男性陣はその若さに弱い。
「あぁ、私はパン買ってきてるから」
自然と笑顔で返事をする私。勿論、営業スマイルである。
私の返事を聞くとハツネは満面の笑みになって
「そうなんですかぁ?私ぃ三上さんと食事の約束しちゃったんですよぉ~もう嬉しくて嬉しくてぇ」
はいはい、はいはいはいはい。
きたよ、いつもの自慢話。
だけどここでキレては悔しい
私は冷静に
「よかったわね、楽しんできてね」
と答えた。
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