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「なぁ、相棒。」
警帽を深く被った大柄な男が話しかけた。
「あと何分だ?」
「予告通りだとするならあと16分と…12秒。」
全くもって迷惑な話もあったもんだ。
この博物館創立以来の事件だろうか、最近巷を騒がせている怪盗様とやらが今夜盗みにいらっしゃるらしい。
狙いは館長秘蔵コレクションのサファイアだ。
予告状を渡され血相を変えた館長が警察に転がり込んで来たって訳だ。
秘蔵とだけはあってそのサファイアのディスプレイは一般公開のされていない奥室にあり、且つ今夜は然るべくして執拗に厳重な警備が敷かれた。
たまたま僕と友人はそのサファイアの傍に配備され、来る時間を今か今かと唾を飲む。
僕は横目で例の宝石を眺めた。
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