人間味のある妖怪

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人間味のある妖怪

──人里 「……ん?あぁ紅いトコの兄ちゃんか?今日は何の用だい?」 「食材を少々……あ、余った野菜屑とかあれば頂きますよー」 「おぉいつも悪いな。なんかゴミ処理みたいな真似させちまって」 「いいんですよ、仕事ですし」 どうも、インドラです。 今日は食材の買い出しをするために、ここ人里を訪れました。 最近は平和なもので、人里での妖怪被害もそれなりに減っているようだ。 人による被害も徐々に減少傾向にあり、少し嬉しかった。 八百屋の店主が苦笑しながら続ける。 「ところで兄ちゃん」 「はい、なんでしょう?」 「その……なんだ。あまり詮索しちゃいけないのかと思ってあまり聞いてなかったんだが……」 「えぇ」 「その野菜屑、何に使ってんだ?」 「……肥料にしてるんですよ。ほら、うちのトコに花壇あるじゃないですか。あそこに使うヤツですよ」 「なんだ、そうだったのか。こりゃあ肥料代も頂かないとな」 「やめてくださいよー、冗談きついんですからー」 談笑。 笑ってはいるが、内心は複雑であった。 虚偽の言葉を口にすれば、もどかしくなるのも当然なのだが。
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