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転校生をいきなりお持ち帰りする気でいる俺と清瀬の事は置いといて……俺は質問に答える事にした。
「そんなベタな王道フラグなんか立ってねぇよ。 心配するな、チャンスはみんなに平等な筈だ!」
俺の答えに泣いて喜び、ガッツポーズを天に掲げる清瀬。
「よっしゃぁぁ! 俺にもチャンスがっ、チャンスがあるぜぇ!」
耳元で叫ぶなよ、キーン! ってなったじゃないかっ!
〇~〇~〇~〇~〇~〇~〇~
清瀬がまだ見ぬ転校生とのデートプランを語りだしたところで、通常より2分遅れて俺達2―Cの担任の先生がやって来た。
教壇に先生が荷物を置くと、待ってましたと言わんばかりにクラス全員の視線が一気に先生へと向けられた。
「え~、ごほん。 実は今日、転校生がこのクラスに来ています。 ……まぁどうせ清瀬がこの情報を流しているだろうから皆知ってるとは思うが……」
と、先生は呆れた口調で話す。 ……そう、今先生が言った通り、転校生が来るという話しは情報通である清瀬が『女子更衣室を覗いた件』について職員室に呼び出されていた時にたまたま得た情報で、それを聞いた清瀬はクラスに戻った直後に皆に話していた為、すでに把握している。
「おい、早く美少女を出してくれよ! ……このままじゃ俺、気になり過ぎて木になりそうだ!」
「……………」
清瀬の一言にクラス全体が凍りついた。
が、俺だけはツボった。
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