どこにでもいる普通の

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「お姉ちゃん、風邪ひくよ」 ハッと弟の広樹に起こされた。 窓の外が暗くなっていた。 ずっと眠っていたようだ。 広樹はキッチンで冷蔵庫から烏龍茶とりだし一口飲んだあと、尋ねてきた。 「卒業式だったんだ?」 私は寝違えた首を回し答えた。 「うん。」 「中学は明日だよ。」 「そうなんだ。」 「お母さん、おばあちゃんのとこ?」 「うん。」 「もう帰るころかな。」 「そうじゃない。」 私はソファーから起き上がり、キッチンにいき烏龍茶を飲んだ。 「お姉ちゃん、これからバイトでも探すの?」 すぐには答えずグビグビッと一気飲みして答えた。 「そうだね。とりあえず。」 「そう。卒業おめでとう。」 「うん。」 私はそのまま自分の部屋に向かった。
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