どこにでもいる普通の

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しばらく自分の部屋のパソコンでネットサーフィンをしていた。 私の趣味と言えば、これくらいのものである。 小一時間、アルバイト情報サイト等を見ていると、玄関から母の声が聞こえた。 「ただいまー。広樹おかえり。遅れちゃったわね、もう19時すぎちゃったわ。お惣菜買ってきたから。夕飯にしましょ。 芽衣ー!」 ダイニングに向かうと、スーパーの半値のタグがついたお惣菜が、お皿に移されていたところだった。 私は料理もろくにできないし、祖母の介護に母が行くことが多くなったので、我が家はこういうことが増えた。 父は毎晩残業で帰りは22時近い。 私たち3人はろくに会話もせず、テレビを見ながら食事を食べ始めた。
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