序章

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ある屋敷の中。 もともと古い屋敷で、家具もお洒落なアンティークで、なんとなく哀愁漂う館だった。 そこには一人の老人が住んでいた。彼は、白ウサギ。 背は低く男性にしては小柄で、白髪からは長く白いウサギの耳が生えている。長い間この国の王に執事として仕えていた。彼も歳なので、つい2週間前に、引退した。 ほかに誰も居ない屋敷の中、彼は安楽椅子に座り、眠っている。 まるで、死んだかのように穏やかな顔で・・・。 という表現は縁起が悪いのでやめておこう。彼はまだ死んではいないのだから。
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