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「白ウサギの叔父さん。」
一人の若者が、部屋に入って来た。顔は、老人の顔が若返ったようにそっくり。だが、黒い髪から、黒いウサギの耳が生えている。
「叔父さん、起きてください。」
安楽椅子に向かって、優しく声をかける。だが、返事がない。
若者が紅い眼を細め、ため息をつき、少し刺々しい声を出した。
「起きろよ、オッサン。」
「汚い言葉遣いはいけませんよ、黒ウサギ。執事失格です。」
安楽椅子から老人が顔を覗かせる。黒ウサギと同じ、紅い眼を優しく光らせて。
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