序章

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「あーもう、早くしっかりした大人になりたいな。」 黒ウサギが頭をくしゃりとした。黒い耳が、真っ赤だ。 「僕の親がわりになってもらって、たくさんお世話になった叔父さんを、早く安心させたいんだ。」 「なんですか、急に。」 白ウサギが聞くと、黒ウサギが口の端をキュッと上げた。 「少し・・・素直になってみた。」 白ウサギが少し呆れたように言った。 「言葉遣い。それに、そういうことは本人に言うものではないですよ? でも・・・。」 白ウサギが微笑んだ。 「ありがとうございます、黒ウサギ。」
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